通り雨がコンクリートをそめてゆくのさ

わたしが13歳のとき、小学校からずっと同じクラスだった男に、なんというか、強姦をされた日は夏休みで、24時間テレビの日で、土曜日の午後で、大雨で、そんなことされたなんて誰にも言えなくて、親になんか絶対に言えなくて、自転車で転んだって嘘ついて、お風呂はいって震えて、ふつうなふりして家族とわらってごはんをたべた。涙はいっこもでなかった。その日の夜のCDTVのゲストライブは小沢健二の愛し愛されて生きるのさだった。わたしは無感覚になった心でそれをぼんやりみていた。

うらみつらみはもう通りこして、今はもうたんなる記憶上の出来事でしかないけれど、やっぱりこの時期は思いだしてしまうのです。ほんと、あいつ、ちんこちぎれとべばよかったのに。